毎日の患者さんとの会話。自分のことをどう呼びますか?

Main 20190225
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歯科衛生士として仕事をしていると、患者さんといろいろな話をする機会が多いものです。治療に関する説明や保健指導、時には雑談もあり、とにかく1日中誰かと話をする毎日です。そんな患者さんの年齢層は幅広く、小さな子供から高齢の方までたくさんの方と関わりながら日々仕事をしています。

 

患者さんにとっては、歯科衛生士は歯科医院の中で院長先生の次に「(多分)エライ」人です。一番「エライ」人は先生だとわかっていますが、治療をしてくれたりいろいろ教えてくれる人という意味では先生の次に一目置かれる存在です。

ただ、歯科衛生士のほとんどが女性ですので、高齢の患者さんの中には娘や孫のように、若い学生さんの中にはお母さんのように接する方もいらっしゃいます。堅苦しい話もそうでない話も、歯科医院の中ではあちこちでいつもなにかしらコミュニケーションが行われているのです。

 

さて、それでは歯科衛生士であるあなたは会話の中で自分のことをどう呼んでいますか?この自分の呼び方は、時に波紋を呼ぶこともあるのをご存知ですか?普段何気なく使っている自分の呼び方について、ちょっと考えてみましょう。

 

年齢問わず基本は「私」

勤務する歯科衛生士が忘れてはいけないことは、患者さんから見た自身の立場を理解しておくことです。歯科衛生士は、先生の指示のもとに治療に関するさまざまな施術や行為を行っています。日本では歯科衛生士が単独で診断をして治療方針を決定することはありません。

 

ただ、歯科医院という狭い空間の中では診る人と診られる人という関係性が成立していて、患者さんは『診てもらう立場』から歯科衛生士を捉えています。歯科医院には、歯科衛生士以外のスタッフもいますが、直接的に処置や指導を行う歯科衛生士は『先生の次にエライ人』という立場に思われることが多いようです。

 

ただ、歯科衛生士は緊張する患者さんがリラックスして治療を受けられるよう安心感を与えることも重要な役目です。そこで、会話の中で患者さんとの間に隔たりができないよう自然な『私』という呼称を使うのがベターです。「私」という呼び方は、若い歯科衛生士もベテランも年齢に関係なく使うことができますし、男性女性問わず使えますので一番無難な呼び方です。

 

「お姉さん」と「おばちゃん」の境界線

さて、女性の職場でしばしば話題に上るのが、子供や学生の患者さんに対して自分をどう呼ぶかということです。例えば20代の若い歯科衛生士はたいてい「お姉さん」「お姉ちゃん」と言っています。ところが30代になると急に「お姉さん」でいいのか、はたまた「おばちゃん」と言った方がいいのか困ってしまうのです。

20代でも既に結婚している人や30代前半の人などは特に迷うようで、苦笑いしながら「お姉ちゃんは~」なんて言って周囲のスタッフがクスクス笑っていることも。中には40代でも「お姉さん」で通す猛者もいます。逆に子供の方から「おばちゃん」と言われて、お母さんが慌てて「お姉さんでしょ」なんてフォローしてくださったりと現場ならではの温かい?エピソードが聞かれます。

 

人によって考え方はさまざまですが、こういう場合は自ら「おばちゃん」と言った方が案外しっくりくるようです。周囲も気を遣わずむしろ潔いと思われる方が気が楽でいいものです。いずれにせよ、こういうことが笑い話になる職場ならストレスも少なくてすみそうですね。

 

使ってはいけない「先生」の理由

ここで、ひとつ気を付けなければいけない事があります。それは、歯科衛生士が自分を「先生」と言ってはいけないということです。歯磨きの仕方や日常生活の注意点などの歯科保健指導をするので患者さんから「先生」と言われることがありますが、歯科医院では「先生」といえるのは歯科医師だけなのです。ですから、自ら「先生」と名乗ることは避けるべきです。

 

以前とある歯科医院で歯科衛生士が自分を「先生」と言ったことでトラブルになった事例を耳にしたことがあります。歯科衛生士が患者さんに自分のことを「先生は~」と言いながら説明したために、患者さんは歯科衛生士を「先生=歯科医師と同等」と考えてしまい、後にトラブルに発展した時「先生(歯科衛生士)がこう言った」と追及されたそうです。

 

歯科医院では「先生」は治療の全責任を負う立場にある歯科医師(院長)を指します。したがって歯科衛生士は、患者さんの混乱を避けるためにも自らを「先生」と呼んではいけません。そして診断や判断は歯科医師である先生に委ねることを常に心に留めておきましょう。どれだけキャリアを積んだ歯科衛生士であっても、先生の指示のもとに業務を行っていることを忘れてはいけません。

医療は人の体と健康に関わる非常に重い仕事です。曖昧な表現は絶対に避け、誤解や混乱を招かないよう業務を遂行することが重要なのです。

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