法人とそうでない歯科医院、どっちを選ぶ?

Main 20190225
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コンビニより多いと言われる歯科医院ですが、経営の方針は歯科医院によって違います。診療のやり方や考え方、使用する器具器材などもそうですし、予約の取り方や対応の仕方も違います。

特に個人経営の歯科医院の場合、経営にまつわるさまざまなことは院長の考え方に委ねられているものです。ただ、最近は個人経営でも税理士などの介入によってシビアに管理されているところがほとんどのようです。

 

ところで、以前はほとんどの歯科医院は歯科医師国保に加入していました。保険料が安価な歯科医師国保は本人も経営側も負担が少ないので今も多くの歯科医院が加入しています。ただ、近年では社会保険に加入している歯科医院もかなり増えてきました。保険証でいうところのいわゆる「社保本人」というやつです。

 

そういう歯科医院の多くは『医療法人〇〇会』と医院名の前に肩書がついています。医院名の前にこの冠がつくだけでなんだかカッコよく見えますが、ではこの医療法人とはどんなものなのでしょうか。

 

そもそも医療法人とはなにか

医療法人とは、

「病院、医師若しくは歯科医師が常時勤務する診療所又は介護老人保健施設を開設しようとする 社団 又は 財団 」(医療法 39条1項)

と定義されています。

 

平成28年度の医療施設動態調査によると、全国の歯科医院の19.4%が医療法人と報告されており、特に個人が設立した法人がそのおよそ8割を占めています。

 

医療法人になると、院長は経営者ではなく法人の役員という立場になります。したがって、院長は給与という形で自分の歯科医院が母体である法人から収入を得ることになるわけです。そこで、法人化する前は事業所得として申告していた収入が、例え院長と言えど私たちスタッフと同じ給与所得というくくりになります。

 

そして、これまでは事業所得に所得税が課税されていましたが、法人化することによって院長も所得控除を受けられるようになり、税制上はメリットがいろいろ出てくるということになるわけですね。

 

医療法人になると、社会保険への加入が義務付けられ、健康保険と厚生年金がセットになってついてきます。法人化するかどうかは院長が決定することではありますが、転職を希望する人は応募する際のチェックポイントとして健康保険や年金などの加入状況をみるものです。法人は社会保険以外の福利厚生も充実しているので、法人化されていることは転職条件の大きなメリットとして捉えられることが多いようです。

 

法人の歯科医院の特徴とは

それでは、一般的な個人経営の小規模歯科医院と違って医療法人にはどのような特徴があるのか紹介します。

 

・スタッフの人数が多い…患者数が多いため診療に当たるスタッフの人数も多くなる

・1日の来院患者数が多い…所得を増やすためと節税のため

・診療時間や休日の設定がイレギュラーなところも少なくない…他の歯科医院より早朝または夜間まで診療したり、日祝に診療して平日に休むなどニーズにマッチした診療スタイルを自由に決めている

・社会保険(厚生年金含む)の加入が義務付けられている

・雇用時と年1回の定期健康診断の受診が義務付けられている(費用は事業者負担)

・育休制度や産休制度などが整っているところが多い

・賞与や昇給が比較的安定して支給される

・社会的な信頼や安心感を持たれる

※デメリットもありますのでチェックしておきましょう。

・院長夫人や親族がスタッフの一員になっていることがある

・社会保険料が高い(手取りの給与が少なくなる)

・いったん法人化すると法人の取り消しが難しい

 

歯科衛生士が転職先として選ぶなら、希望している歯科医院が医療法人なのか一般の個人開業医なのかをしっかり見極めることが大切です。採用後の条件がかなり異なりますので自分の今後の生活と照らし合わせて選ぶことが必要です。

 

どんな働き方をしたいかが選択のポイント

医療法人は1日の患者数もスタッフも多い大規模歯科医院がほとんどなので、通常の歯科医院より忙しいところが多いようです。転職の際に仕事がきつくて辞めたという人にはあまりおすすめはできません。

 

ただ社会保険など福利厚生の充実を望む人は医療法人をおすすめします。特に扶養家族がいる人は、医療法人の方が制度上さまざまな福利厚生を提供しています。例えば、シングルマザーの人や子供を扶養に入れたいと考えている人は、医療法人の方が手厚い福利厚生が揃っているので安心です。

 

もし、融通の利く職場で比較的マイペースで仕事をしたいと考えている人は、個人経営の小規模歯科医院がおすすめです。医療法人では、制度上遵守すべきことがたくさんあり意外に融通が利かないこともあって、安心感がある反面堅苦しさや窮屈さを感じることもあるかもしれません。

そこで、転職活動の際に自分はどんな働き方を希望しているのかを再確認し、応募する歯科医院を精査して決めることが大切です。

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