歯科医院の感染予防事情

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歯科衛生士の仕事に口腔内で行う処置があります。例えば、銀歯などの型を採る印象採得やTEK(仮歯)の製作などの他、歯周病治療にまつわる歯石除去やSRPなどの観血処置などもそれに当たります。歯科衛生士はいろいろな点で看護師と比較されることがありますが、このような患者さんへの直接的な治療行為となる業務を担うことは、看護師とは大きく異なる点です。もちろん医科と歯科は本質的に治療体系が異なることにも由来していますが、とにかく歯科衛生士は歯科医師の指示のもとに非常に幅広いたくさんの業務に対する責務を担っているのです。

 

このような業務を行うに当たって注意しなければいけないのは、業務を行う歯科衛生士が自分自身の健康も守ることです。患者さんのお口の健康を目指した仕事をしている以上自分を犠牲にしてまで業務にあたるのは本末転倒であり、医療の本質から外れてしまいます。

その観点から特に歯科で重要視されているのが、感染予防のための取り組みです

 

感染の機会が多い歯科の仕事

医療の仕事はどの職種であっても常に感染と隣り合わせです。

感染とはなんらかの微生物が体内に侵入して定着・増殖し、寄生の状態になった状態をいい、それによって何らかの症状が起きたものが感染症です。感染症は感染源が移動する(移る)ことによって連鎖的に広がっていきます。

感染の経路には、空気感染、飛沫感染、接触感染、経口感染(糞口感染)があり、特に歯科は感染リスクの高い業種とされています。

そこで歯科で見る感染経路を分類してみました。

・空気感染…会話、咳

・飛沫感染…咳、くしゃみ、切削片(歯を削る際に発生するかけらや粉など)、嘔吐物

・接触感染…唾液、血液、針刺し、器具による傷など

・経口感染…今ではほとんどありませんが治療器具の使いまわしなど

 

感染予防が徹底される歯科医院の実例

感染予防の考え方は現在広く認知され、かなり高いレベルの予防対策を行っているところが増えてきました。

例えば、使用する器具器材は可能な限り専用の機器を使った『滅菌』を行っています。以前は『煮沸消毒』が主流の時代もありましたが、煮沸消毒ではすべての細菌を殺すことはできず、今ではほとんど行われていません。

そこで感染予防に関連してよく知られている言葉についておさらいしてみましょう。

・消毒:人体に有害な微生物の感染性をなくすか無害化すること。

・殺菌…病原性や有害性を有する糸状菌、細菌、ウイルスなどの微生物を死滅させること。

・滅菌:すべての微生物を殺滅させるか完全に除去すること

 

歯科では医科と同じくほぼ全てのところで消毒と滅菌を行っています。患者さんに使用する器具や器材はオートクレーブと呼ばれる滅菌装置を使って無菌化します。最近では、使用する器具器材をひとつひとつパックして滅菌を行い、患者さんに使用する直前にパックを開封するなどして安全性を高めているところも増えてきました。

また、口腔外に飛び散る切削片や細菌、飛沫などを強力に吸引する口腔外バキュームと呼ばれる装置を備えているところも増えています。

 

その他スタッフの感染予防のために使い捨てグローブの使用は今や当然です。ただ、今でもグローブを使用せず素手で治療を行っている昔ながらの歯科医院も残っています。

もし、「患者さんが感染症だったら」「自分の手に傷があったら」というリスクを考えるとこんなにも恐ろしいことはありませんね。手荒れしがちな歯科のスタッフは特にこだわりたいとことです。

歯科では、問診の際に「歯科とは関係ないから」「恥ずかしいから」という理由で肝炎などの感染症を記載しない患者さんもいます。また、長年通っている患者さんの中には病気に罹っても申告しない人もいます。ですから感染の対策は、自らアンテナを張り巡らして情報を得ることも大切なことなのです。

 

転職で自分の安全も確保

毎日忙しい現場にいると、慣れが出てきてつい怠ったり急いでやろうとすることがあります。そんな時に限って針を刺した!など取り返しのつかないことが起こったりするものです。

日々の感染対策は、自分の命を守るための大切な命綱です。ただ中にはコスト重視の歯科医院もありますから、感染対策に不安を感じたら申告してみるか転職を考えてもいいかもしれません。自分が感染してしまうと家族をはじめ周囲の人たちへの感染拡大のリスクを高めてしまうことにもなりかねません。自分が健康であるからこそ元気にやりがいをもって働けます。

そこで、転職活動では「感染対策を徹底していること」を転職の条件としてあげておくことをおすすめします。自分を守ることは患者さんを守ることにもつながります。ぜひ面接では、感染に対する考え方なども質問事項に入れ込んでみるといいですね。徹底した対策に自信を持っている先生なら、スタッフのこともしっかり考えてくれているといえそうです。

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