歯科衛生士ドッキリ事件簿

Main 20190325
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大小に関わらず医療に関する事故は『インシデント』または『ヒヤリハット』とも呼ばれています。
医療系の仕事にはいろいろな種類のものがありますが、それらの中でも歯科衛生士は患者さんと直接接触し治療を行うためヒヤリハットの機会が多く、特に気を付けなければいけないといわれています。
そこで、これまでに現場でどんな事故や事件があったかを具体例を挙げて紹介しましょう。
今後歯科衛生士として働く上で、是非頭に留めておいていただきたい内容です。知っているのといないのとでは危機管理の点で全く違います。ぜひ今後の参考にしてください。

歯科衛生士はさまざまなリスクと隣り合わせ

あるアンケート調査によると96%以上の歯科衛生士がヒヤリハットの経験があると答えています。もちろん医療に携わる職種の人はほとんどがリスクを抱えていてそれを回避するために日々慎重に業務を行っています。中でも歯科治療は、口の中という限られた空間で行うため、経験と熟練、そして細心の注意が必要な仕事です。
ここでは、歯科衛生士に見られるリスクについてピックアップしてみました。
・感染のリスク
唾液や血液に恒常的に触れる仕事であり、歯科衛生士だけでなく患者さんへの感染のリスクも高い医療現場です。
・怪我のリスク
歯科で使用する器具は鋭利なものや小さいものが多く、「刺す」「切る」といった怪我をする機会が非常に多い現場です。
・患者さんのリスク
口の中は粘膜で覆われ食道や気管と直接つながっています。狭く暗い口の中で、鋭利なものやとても小さい器具、あるいは物を扱う治療を行うため、怪我や反射に伴う不測の事態など多くの危険を伴います。このように、多方面にリスクが存在する現場なのです。

これまでにあった事故を検証

それでは、これまで報告されている歯科衛生士に関する医療事故について紹介します。以下に代表的なインシデントについてピックアップしてみました。
・注射針等を誤って穿刺:54%
・患者への薬剤等の付着:24%
・違う患者を誘導:11%
・記録等への記載の誤り:7%
・薬剤、材料等の間違い:5%
・患者が診療室内で転倒:6%
・治療部位の間違い:3%
・患者の全身状態が悪化:1%
・所持品等の破損、紛失:1%
・患者の目に薬剤等が入った
(日本歯科衛生士会「平成27年 歯科衛生士の勤務実態調査報告書」より抜粋)
こうしてみると、刺して怪我をする事故が全体の半数を超えています。歯科では、注射針だけでなく鋭利な器具を使用することから誤って刺してしまうこともしばしばあります。このような刺し事故は、経験したことのある歯科衛生士も多数いるでしょう。

それ以外に歯科衛生士が非常に気を付けなければいけない事象に
『嚥下(誤嚥)事故』
があります。例えば、補綴物(銀歯など)やガーゼ、ロールワッテなどを誤って口の中に落としてしまい、反射によって患者さんが飲み込んでしまうケースです。食道に入ればたいていはそのまま胃を通過して便と一緒に排泄されますが、まんいち気管に侵入してしまった場合喘息のような呼吸が起こり、切開や内視鏡で取り除かなければ呼吸困難を引き起こしたり肺や気管などを損傷する恐れもあります。そこで、すぐに胸部レントゲン撮影などによって確認することが必要です。時には、緊急手術となるケースや裁判で係争となる重大なケースもあります。

事故防止の必須マニュアルを紹介

このような事故を防ぐためにはまず事故が起こった原因を知ることが大切です。原因としては主に次のようなことがあげられます。
・不注意
・経験や知識不足
・技術の未熟さ
・慢心、慣れ
・思い込みによる確認不足や判断ミス
・情報の周知が徹底されていない(連携不足)
これらの中で、その大部分が確認不足といわれ、それ以外にも不注意や技術の未熟さ、慣れなどが大きな割合を占めています。
また多忙な業務のため疲れで集中力が散漫になっていた、急いでいた、ということも要因として挙げられます。
このような重大インシデントを避けるために大切なことは
・院内の連携を密にしてコミュニケーションをしっかり取る
・各医院で作業の手順マニュアルを作り周知しておく
・業務量を適正にして過度の労働を行わない
・リスクマネジメント(危機管理意識)を徹底しておく
・技術を高める努力をする
具体的には
・感染症のある患者さんはグローブとゴーグルも使用し感染を予防する
・誤嚥しそうな補綴物の調整では顔を傾ける、ユニットを起こすなど工夫する
・嘔吐反射や恐怖症など患者情報はカルテなどに赤字で記載しておく
・感染症の患者さんの片付けは急がず慎重に行う
・ドクターと話しやすい関係を作っておく

そしてまんいち事故が起こった場合、報告体制を明確にしておくことも重要なことです。これらのことは、随時院内全体でミーティングを行い周知徹底し、常に情報を刷新しておくことも忘れてはいけません。

 

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